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黒川博行    「絵が殺した」(角川文庫)

 黒川は美術界のことについて本当に詳しい。と思ったら黒川は京都の大学美術学部の出身だった。
 このミステリーは絵画の贋作ミステリーとなっている。

黒川の作品は必ず主人公の刑事と別刑事とのコンビが活躍し、このコンビがどの作品でも、そこらの漫才より面白い会話がふんだん組み込まれていて、それがたまらないのだが、この作品も吉永刑事と駆け出しの小沢の迷コンビの会話が面白く、それだけでも読む価値がある。

 物語でなるほどと思ったのが、政治献金で絵画を使う方法。これは別の黒川作品にも登場するが、政治家に絵画をプレゼントする。しばらく政治家は保管するが、その絵画をプレゼントした人間に返す。その時返された人が絵画代金を支払う。これが献金となる。

 それから密室トリック。これもしばしば色んな物語で同じ方法がみられるのだが・・。

ロッジで密室状態で、殺人が行われる。犯人がガスボンベが倒れたと係員に電話する。犯人はガスボンベから離れたところに隠れる。係員がやってくる。係員は当然ボンベがあるところの探索に集中する。集中している時に、入口からでてゆく。そして、その後係員は死体を発見する。

 読んでいて、ビックリしたのが次のトリック。
実は被害者はロッジ内、密室状態で感電死して自殺したことになっている。犯人は皮手袋をはめて絶対部屋から指紋がみつからないようにする。

 感電死させるためには電気コードを切断して、着ている衣服にコードを絆創膏でとめて電気を流す。これを自殺では被害者自身がせねばならない。円形の絆創膏をはがすとき、例えば右手で絆創膏をはがす場合は、左手は絆創膏テープを2つの指で挟む。とろがこの絆創膏には左手部分は片方しか指紋がついていない。これはおかしいと。ここから物語が回転しだす。面白い。

 黒川作品は会話の面白さばかりが強調されるが、仕掛けもよく考えられている。

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| 古本読書日記 | 06:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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