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星新一  「悪魔のいる天国」(新潮文庫)

 卓抜なアイデアと透明な文体を駆使して描きだす、ショートショート36編を収録している。抜きんでてこれはという作品は無いが、ショート短編を味わうならこの作品かと思えたのが「シンデレラ」。

 大邸宅の応接室で大富豪の老人と一人の男がむきあっている。男は探偵事務所を営んでいる。

 老人が、君の調査はいつもいいかげんで不十分。もう君を使わないようにするつもり。

男が縋り付く、
「そんなこと言わないでください。次はきちんと調査し、ご期待に必ず沿うようにします。」
「それじゃあ、調査をお願いするから、今度はきちんと調べてください。実は私には2人の子供がいて、長男にはこの事業を継承してもらって、長女にはこの屋敷をあげようと思っている。

 ところが20年前、長女を産ませた女とはそのとき手を切った。母親はすぐに死んだようだが、長女がどうなったかわからない。その長女を探してほしい。」
 「それだけでは、探すのは難しい。何か手がかりはありませんか。」
「長女はうまれてすぐに事故にあって、親指が無い。さらに尻の右側に火傷をおっている。今20歳。これだけあれば何とか探せるだろう。」

 調査費を前金として渡す。
「はい、何とか今度は探しだしてみせます。」

 数か月後、探偵が一人の女性を連れて老人の前に現れる。
「いろいろ大変でしたが、何とかお嬢さんを見つけてきました。」
女性には親指が無かった。「お尻もみますか。」「いいよ、そこまでしなくても。」
老人が言う。
「あの話は作り話だよ。何にも成果なしで、調査費をあげたら君の自尊心を傷つけると思ったから、作り話を話したんだよ。それにしても君はすごいね。本当に該当する女性を探してくるんだから。」

 こんな感じの話が36篇。少し収録数が多すぎる気がした。

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| 古本読書日記 | 06:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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