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ピエール ルメートル 「その女アレックス」(文春文庫)

 イギリス推理協会小説賞受賞作品。日本でも翻訳小説部門で大賞受賞、週刊文春ベストサスペンス賞など数々の文学賞を受賞している名作。

 この作品は驚愕だ。

主人公の女性アレックスが、ある男に拉致され木枠の檻に入れられ監禁される。犯人はお前の死ぬところがみたいと言って食料も殆ど与えず、どんどん衰弱してゆく。警察が拉致場所を探すが、なかなかみつからない。やっと居場所を見つける。衰弱していたアレックスは何とか木枠から脱出する。アレックスは警察に保護されるが、犯人は走ってきたトレーラーにひかれ死んでしまう。これから、犯人を追いかけ、真相がわかってくる過程が描かれると思っていたが、いったいこの犯人とアレックスとの関係はと思っていたところで、犯人が死んでしまう、どうなるのこの小説、ここまで小説の殆ど半分が使われる。

 そして後半も面白い手法がとられている。
主人公アレックスの視点と、警察、主にカミーユの視点から章をわけて描かれる。

 そしてアレックスが男5人と女1人を殺害する。その一つ一つの殺害が、殺害に至るまでの過程と殺害方法が生々しく描かれる。ということは、読者は殺人事件の犯人は知っていて作品を読み進むことになる。

 これを警部カミーユが追うことになる。読者は殺人犯はアレックスとわかっているが、何でアレックスが何ら人間関係を持たない被害者たちを殺すのかが全くわからない。

 カミーユは殺された6人の繋がり、共通性を必死に追及する。そして、その共通性がだんだん明らかにされてくる。その真相に読者は驚愕する。

 時々、ルメートルのような手法で描くサスペンスに遭遇するが、ルメートルのように成功した作品にはなかなか遭遇しない。
 推理、サスペンスの両面から卓越した見事な作品になっている。

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| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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