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阿部智里   「黄金の烏」(文春文庫)

 またまた恥ずかしいのだが、作者阿部さんは女性作家だと知った。驚くことに処女作「烏に単は似合わない」で史上最年少、若干20歳で松本清張賞を受賞している。

 この作品は処女作八咫烏シリーズの第3作目である。
1作目、2作目は、もちろん楽しいファンタジー作品になっているが、八咫烏が住む山内はどんな場所で、登場人物たちの人間関係やキャラを読者に提示するのが目的だった。

 この三作目から、前作に従っていよいよ物語が始まる。

それでも、新しい山内の状態が提示される。
 山内は八咫烏が支配する領地なのだが、その隣には人間が支配する領地がある。

八咫烏は、地上にいる時は、人間と全く同じ行動生活をする。しかし烏だから、あくまで卵から生まれる。だから体は人間であっても、本質は鳥類。それで、人間と区別するために、人間とは言わず、人形(ひとかた)と言う。

 今回の物語の肝になるところは、人間が住む世界と八咫烏が住む世界の間には、猿の怪物が生息していて、この怪物は、人間や八咫烏を食べて生活している、その怪物の猿と八咫烏の戦いが読みどころ。

 しかも、食べ終わった後、残った人間の骨は、粉砕して粉になって「仙人蓋」という精神を異常にする麻薬となる。これが、八咫烏社会を揺さぶる。

 山内は宗家と言われる貴族が支配する社会になっている。この宗家の世界は、優雅な世界になっていると思っていたが、宗家の世界には地下街があり、ここでは貧民が住んでおり、完全な格差社会となっている。

 こんな舞台が設定され、それらがダイナミックに絡み合い、大きな作品となっている。
これからのシリーズが大発展するのではと予感させる作品になっている。

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| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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