fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

宮部みゆき   「ペテロの葬列」(下)(文春文庫)

 今多コンツェルンでグループ社内報を担当している、50歳の女性編集長と主人公で部下の杉村は、元取締役の森の取材で訪れた千葉の自宅から帰る途中、乗ったバスが一人の拳銃を持った老人のバスジャックに遭遇する。

 この老人が不思議。捕らわれた人質に対し、事件解決後、人質それぞれに慰謝料を払うと言う。そしてこの老人、最後は突入した警察から射殺されたのか、自殺したのかよくわからないが、とにかく死んでしまう。

 ところが、事件収束数日後、老人の約束通り、各人質に100万円から300マ円の慰謝料が宅配便で送られてくる。

 誰が、何のために、お金を贈ったのか。贈られた人たちはどんな素性のお金かわからないのに、もらっていいのか、それとも警察に届けるべきか気持ちが揺れる。

 そして人質たちが集まって、とりあえず警察への届け出は保留して、お金の出どころ、送り主を探すことにする。

 そこで、なるほどという事実に到達した。
実は、バスジャックを起こした老人は、かって企業管理者養成研修のトレーナーをしていた。
この研修は一世を風靡していたが、人格をコントロールする強烈、狂暴な研修だったため、自殺者がでたりして、社会的非難が強まり、ブームは去る。

 で、この時のトレーナーはその後どうなったか。実は、その後ブームになったマルチ商法の研修者に流れた。彼らは、マルチ商法の主宰者と組み、得意の舌技でマルチ商法の扇動者となったのである。

 宮部さん調査もしただろうが、この想像が卓越している。見事だと思う。
今もますます、新手の詐欺が蔓延している。訓練された、口八丁の人材がはびこっているのかもしれない。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ<

| 古本読書日記 | 06:43 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT