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横山秀夫   「64」(下)(文春文庫)

 14年前、雨宮家の一人娘翔子ちゃんが誘拐され、身代金2千万円が犯人から要求される。この事件、犯人の誘導に翻弄され2千万円は獲られ、あげくに翔子ちゃんは死体になって発見され最悪の結果となる。

 大捜査陣を投入したが、7000人もの大量の聞き込みのため、犯人の絞り込みができず、事件発生時には時効があり、その期限まで残り1年を迎えていた。

 この捜査で、警察は大失態を犯していた。被害者宅にいて、犯人からの電話を受け、それを逆探知したり、電話を録音したりすることに、設置した機械が動かず失敗していたのである。こんなことが世間にばれたら、県警に対する非難は燃え上がり、県警はとんでもない状態になる。だからこの失態は歴代の部長に絶対秘密事項として漏らさないことが引き継がれてきた。そして、当時自宅班で機械をセッティングした警官は密かに馘首された。

 この犯人を暴き出した方法が驚愕。

事件当時犯人からの電話を受けた雨宮。警察の失態に愕然としたし、娘翔子ちゃんもうしない、警察は全く頼れないし信用できないと思い、自分で犯人を捜すことを決意。

 事件が起きた当時は、携帯電話は殆ど無く、各家に固定電話が設置されていた。また当時は、電話帳が各家庭に配られ、殆どの家庭が電話番号を電話帳にのせていた。

 雨宮は電話帳の名簿を最初のページから無言電話をかける。事件の日、犯人からかかってきた電話は中年の男の電話だったので、女性や子供がでると、何回も無言電話をかけなおし、該当の男がでるまで続ける。

 しかも犯人の苗字が目崎で50音でも最後のほう。だから14年間、黙々と無言電話をかけ続けたのである。
しかしその犯人にたどりついても、証拠は雨宮の耳だけ。これでは、警察は目崎を犯人として逮捕できない。そこで雨宮はとんでもない行動にでる。

 この物語、警察の中央と地方、地方警察内部の組織対立。マスコミと警察の対立。更に主人公の三上の家でも、一人娘あゆみが失踪して年月が過ぎていることなどが重なりあって、重厚な社会人間ドラマになっていて読み応え十分なのだが、やはり犯人を つきとめる方法の斬新さに感動をせざるを得ない。すごい作品だった。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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