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今邑彩    「繭の密室」(中公文庫)

 警視庁捜査一課・貴島刑事シリーズ第4弾。このシリーズでは密室殺人事件が取り扱われている。

 マンションの七階701号室の住人大学3年生の前島が、悲鳴をあげてベランダから飛び降りる。捜査一課刑事が部屋にはいり、調べると、首に絞めた痕があい、血のついた髪の毛が付着している金属バッドがあり、明らかに前島は部屋の中で襲われたことは明らか。

 しかも部屋には鍵がかかっており、さらにドアチェーンもかけてあった。鍵は外側から解除できるが、チェーンはペンチで切断しないと中に入ることはできない。事件は完全密室でおきている。

 不思議である。犯人は前島を殺害して、どうやって、部屋の外へ逃げたのか。なぜ犯人は部屋の中にいないのだろう。

 この作品でなるほどと思った。
金属バッドで殴られて、被害者は瞬間意識を失う。だから犯人は被害者は死んだと認識する。

だけど脳挫傷では、即死というケースはまれなのだそうだ。死ぬまで数時間は生存しているのだ。そこで被害者は、再度襲われることを恐れて、ドアの鍵をしめドアチェーンをかけたのである。うまいトリックを使うものだ。

 もちろん前島が殴られた後、どうしてベランダから飛び降りたのか、謎は残るが。
それは是非この作品を手にとって確かめて。

今邑さんの作品は、すっきりしている。すっきりしているというのは、事件の真相に関係ない出来事は殆ど登場しない。更に、凝ったまぎらわしい、あるいは感情が大げさに強調された表現もない。

 最近はこてこてしたミステリーが多いので、少し淡泊な感じがしないでもないが、わかりやすく見事と評価をするい。

 このシリーズでは、貴島とコンビになるすこし頭の固い刑事がいれかわり登場する。

この作品では倉田刑事。彼がすばらしい名言をいう。
「結婚なんてものは、しょせん、飽きるか慣れるかの選択にすぎない。美男に飽きるか、醜男に慣れるかだ。」
 うーん、全くその通りだ。

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| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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