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相場英雄    「血の轍」(幻冬舎文庫)

タイトルから察して、てっきり警察を舞台にしたミステリー小説だと思った。しかし、内容は全く異なり、警察内部の刑事部と公安部の暗闘を描く小説だった。

 刑事部は事件の謎を解きほぐし、犯人を検挙することと目的は明確だ。しかし公安部は国を守るという曖昧な目的。だから、拡大解釈をして、何でも国を守るということにして、その権益を拡大してきた。警察の中では、公安部は圧倒的に大きな予算がつく。

 そして、どんなに公安部が悪くても、最後は公安部が勝利する。

 この物語で、一番印象に残り、胸が痛くなる重要なところ。

主人公の刑事兎沢の3歳の娘咲和子が、白血病になり、幾つかの病院を経過して、国立国際医療センターに入院する。そこには、白血病骨髄移植手術の名医佐久間医師がいた。

 咲和子ちゃんにあうドナーもいて、翌日手術を受けるという時に、とんでもないことが起きる。

 佐久間医師は手術前日、ある団地の各戸にある政党の広報ビラを配布する。これを張っていた、公安刑事がビラを回収。そして佐久間医師が拘束される。

 佐久間医師は国立病院の医師で公務員とみなされる。公務員は不偏不党で、ある思想特に左翼の活動は禁止されている。その法律に違反するから逮捕ということになる。

 ビラ配りで逮捕とは唖然。これにより咲和子ちゃんは死んでしまう。
作品には明確にされていないが、公安部にたてつく者に対するみせしめと思わせる。これで兎沢に怒りが噴出する。

 物語では、公安部から邪魔者とされて、警察から追い出された、2人の刑事が公安部の手先により殺害される。
 公安部長は取り巻きの業者から湯水の接待を毎晩のように受ける。黒い特殊のクレディットカードを持っていて、使った金はこのカードで決済。請求先はすべて業者にゆく。

 この癒着を突き止めた兎沢は、部下からビール券を合計で2万円分贈られたことで、贈収賄として監査部から責められ休職となる。

 実情はわからないが、警察官は公安部に楯突いたらまずい。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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