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「宙ぶらん」 伊集院静

伊集院静 「宙ぶらん」(集英社文庫)
短篇集。ハイスミスには神とは何かということが随所にでてくる。西洋でのキリスト教は重くて伝統もあり息苦しい。この作品集のトップを飾る「煙草」で扱われる神のほうが日本人にはジーンと染み入ってくる。
 主人公はフランス人の富豪と芸妓夫婦の間の男の子。母親は妹を生んだ直後に捨てられる。3年間は慰謝料で生活できたものの、その後はパリで貧しい暮し。可愛がっていた妹が、ある日兄妹で見ていた大道芸人に連れられどこかに行ってしまう。
 20年後、漁師になった兄は、恋もできず港、港で娼婦を買い抱くだけが楽しみ。ヴェネチア
で街娼を拾い抱き合う。そのとき娼婦は妹だとわかる。煙草の吸い方が母と同じだったから。
 同僚の男に主人公が言う。
「私は大きな罪をおかしました。」
「どうして」
「あの女は私の妹だったからです。」
「私にはわからないがあなたがそういうから妹だったんだろう。でもそれは罪なんかではない。神が二人を抱擁させたのだろう。そう神が・・・・」


by はなゆめ爺や

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| 日記 | 20:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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