原田マハ 「ギフト」(ポプラ文庫)
原田さんは、2005年に「カフーを待ちわびて」で第一回の日本ラブストーリー大賞を受賞して作家デビューした。沖縄の小さな島の奇跡のような美しい愛を描いた作品。原田さんは1962年の生まれ、ということは「カフーを待ちわびて」は43歳の時の作品。よくこんな美しい愛の物語を43歳で書くとは、当時驚いたことを思い出す。そして今はもう60歳になろうとしている。それでも、原田さんは純真な心で、若い人たちの恋愛を描けるだろうかと思っていたときに、この掌編集が出版された。若い恋愛掌編集だ。
正直原田さんも60歳、私も70歳になるので、読んでいて恥ずかしくなってしまう。60歳でこんな純真な言葉、物語を書くとは。
学生時代に知り合った、彼の手は握り合うといつも暖かだった。しかし彼が転勤。たまに会っても、手を握りあうことは無くなった。間遠になった彼を思い切って訪ねてみる。バレンタイデーのプレゼントとしてレザーの手袋を買って。
彼は、約束の時間ギリギリにやってきた。思い切ってプレゼントを渡す。彼は手袋をとりだしてうれしそうに笑い、片手にはめ、もうひとつを私にはめるようにうながす。私には大きな手袋だった。その手を握って彼がコートのポケットに入れてくれる。ポケットの中で2つの手袋をはめた手がしっかり握り合う。
読んでいて恥ずかしくて苦笑い。でもさわやかな物語だ。アートの小説もいいが、こんなみずみずしい小説もずっと書いていってほしい。
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正直原田さんも60歳、私も70歳になるので、読んでいて恥ずかしくなってしまう。60歳でこんな純真な言葉、物語を書くとは。
学生時代に知り合った、彼の手は握り合うといつも暖かだった。しかし彼が転勤。たまに会っても、手を握りあうことは無くなった。間遠になった彼を思い切って訪ねてみる。バレンタイデーのプレゼントとしてレザーの手袋を買って。
彼は、約束の時間ギリギリにやってきた。思い切ってプレゼントを渡す。彼は手袋をとりだしてうれしそうに笑い、片手にはめ、もうひとつを私にはめるようにうながす。私には大きな手袋だった。その手を握って彼がコートのポケットに入れてくれる。ポケットの中で2つの手袋をはめた手がしっかり握り合う。
読んでいて恥ずかしくて苦笑い。でもさわやかな物語だ。アートの小説もいいが、こんなみずみずしい小説もずっと書いていってほしい。
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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑