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東山彰良  「女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた」(講談社文庫)

 青春を謳歌できる大学生になった、有象くんと無象くん。恋に焦がれるのだがまったく何の兆しもない。へこみっぱなしの2人のちょっぴり切ない話6編を収録。

青春コメディである。そしてとにかく笑える。東山は博覧強記。いろんな知識が豊富。それを縦横無尽に手品のように使って物語を創り上げる。素晴らしい作家だとしみじみ思った。

 2人はゼミのアイドル ビッチちゃんに恋をする。

2人が恋だと感じた瞬間。ビッチちゃん、無象くんには「ずっと仲良くいれたらいいね」有象くんには「有像君といるとなんだか落ち着く」と言う。それで2人とも舞い上がった。自分こそビッチちゃんの恋人だと思っていたら、何と同じような声をかけられてビッチちゃんを恋人だと思っている人がさらに4人もいた。

 大学祭のゼミのだしもの。ゼミの教授の発案で、教授が得意のソーセージ造りをすることになる。ビッチちゃん料理は得意なのだが、味付けの済んだ肉をミンサーのノズルよりだす。それを羊腸をかぶせるのが上手くできず、悪戦苦闘をしている。

 見かねた教授が言う。
「もっと優しくやるんだよ。譬えて言うなら、そう、男性に避妊具をかぶせてあげる要領だよ。」

 ビッチちゃんが言う。
「いやん、先生それを早く言ってくださいよ。」

ノズルと羊腸を自分のよく知っているものに見立てたとたんビッチちゃんは要領をすっかりつかみ、ソーセージ造りが段違いにはかどった。

収録されている「ビッチと呼ばないで」より。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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