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乃南アサ   「こなけりゃいいのに」(祥伝社文庫)

 7編のサイコ・サスペンスを収録した作品集。
平成9年に出版した本のため、少し今では時代遅れなのだが、最後の作品「春愁」が印象に残った。

 主人公の徳田多恵子は40歳の独身。営業部門補佐として20年間。少し前まではお局さまと言われていたが、それでも事務処理はベテランで営業部員には信頼され、営業部門の重要な要としての役割を果たしていた。

 しかし最近はOA機器が事務処理を担う。多恵子も頑張ってOA習得に挑戦したが、他の若い女性社員の能力にはついてゆけなかった。それでだんだん事務所の中でも、片隅においやられる存在になっていった。

 自信喪失状態のとき、部長に呼ばれ、勤続20年になると会社から記念品を贈るが、女性でその対象になるのは多恵子が初めて。何が欲しいか考えておいてくれと頼まれ。
更に今まで勤務大変お疲れ様。これからも女性社員の教育係として会社に貢献してほしいと言われる。

 これで多恵子はよみがえる。私用電話、昼休憩のルーズさ、紙の無駄使い、電気の無駄使い、細かいことを後輩女性社員たちに厳しく注意をしだす。また昔のように女性社員に煙たがられるようになる。

 そんな時、三崎という新入社員が配属される。多恵子は張り切って三崎をねちねち教育しだす。この三崎、へこたれると思うが、頭と行動が早く、常に多恵子の文句の先回りをして文句を言えないようにする。また明るく気配りに優れているので営業部の社員から頼られるようになる。

 そんな時係長に三崎が、「営業新規開拓に新しい考えがある。」と言う。係長は「それはすごい。三崎さんだけでなく、みんなに新しい企画を提案してもらおう。」とみんなに指示をする。

 多恵子は、事務の無理無駄を省くことのアイデアはでてくるが、営業変革なんて言われても、何も浮かんでこない。そんな自分を知って、ガックリする。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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