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NHKスペシャル取材班   「高校生ワーキングプア」(新潮文庫)

 2015年の「国民生活基礎調査」によると日本の子供の相対的貧困率は13.9%。7人に1人が相対的貧困状態におかれている。相対的貧困家庭というのは月収が約20万円以下の家庭、3人世帯だと年収211万円以下となっている。

 この結果、家計を支えたり、授業料や必要経費をねん出するため、アルバイトをしている多くの高校生が存在している。
 こうした高校生の実態を浮かび上がらせたルポルタージュがこの作品である。

神奈川県戸塚に住む母子家庭の高校生陽子さんの実際がすごい。お母さんは当然朝から夜中までパートで働く。しかしこれだけでは家計が成り立たない。それで陽子さんが居酒屋でアルバイトをして家計を支える。この陽子さんの一日を取材班が追う。

 陽子さんは毎日朝5時前に起きる。そして洗濯をする。それが終わると朝食を作る。そして7時に小学生の妹、弟を起こす。しかし妹、弟はなかなか起きない。それを無理やり起こして朝食をとらせる。この時、妹と弟が喧嘩をする。幼い弟がごはん食べないとごねる。そこをなんとか食べさせ、いやがる歯磨きをしてあげる。妹、弟を学校へ送り出し、食事の後片付けをして陽子さんはやっと学校に向かう。

 午後4時。学校が終わると居酒屋に走る。そして10時にバイトが終わり11時に家に帰る。そこから夕食、勉強をする。陽子さんは優秀な高校生で成績はオール5である。

 陽子さんを悩ましている妹、弟。学校から家に帰ると、一緒に洗濯物をよせて、たたんだり、妹は夕食を作り、弟は部屋掃除をする。わがままではなく、大変なお姉さんのために、お姉さんが大好きだから、懸命に働いているのである。

 これに似た環境の別の母子家庭のルポが書かれている。
取材のお礼にと小学生の子供を100円ショップに連れて行き、好きなもの5品プレゼントしてあげると言う。
 そのとき子供が最初にとった品物が布団たたき。お母さんのためだと笑顔で言う。

何か切ないが、どこか心がふっと温まる。

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| 古本読書日記 | 06:31 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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