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村山由佳  「風は西から」(幻冬舎文庫)

 私の知り合いに、25歳から最近40歳まで大手外食チェーンの店長をやっていた人がいる。

 社員は店長と副店長の2人。後はシフト制で80人のアルバイトを抱えている。店長の仕事というのがすさまじい。毎週副店長と交代で最低1日は休暇がとれることになっているが、現状は月1回が精いっぱい。

店は午前11時開店で閉店が深夜0時。店長はアルバイトが出勤してくる9時前には店に行き、材料の納品から仕込みをする。そして深夜0時の閉店までみっちり働く。この間1時間の休憩がとれることになっているが、15分がせいぜい、休憩も昼食、夕食もとれずぶっ通しで働くことが多い。


 深夜0時閉店後、店の清掃片付けそしてアルバイトを帰宅させレジのお金をチェック。その後、明日の材料の仕入れ明細を作り、本部に発注。それとともに本部に売り上げとその日の損益を報告。そして本部へ日報を送る。毎週のスタッフのシフト表を作成。

 全部順調にいって、仕事が終わるのが午前三時。すこしトラブルと家には帰宅できず、店のバックヤードに泊まる。

 だから通常帰宅は朝4時。それから仮眠と簡単な朝食をとり朝7時判には店に向かう。
 これで、40歳になって、年収が店長でもやっと400万円をこえるくらい。

彼は店のアルバイトの女性と15年前に結婚しているが、店をやめるまで新婚旅行はおろか夫婦で旅行したことがない。店をやめて、友達に沖縄旅行プランと手配をしてもらい、やっと旅行ができた。

 紹介の物語。居酒屋チェーンの「ワタミ」の自殺事件をベースにしていると思われるが、よく調べている。内実は全く物語の通りと思う。

 そのブラック企業ぶりは、私の知り合いの外食チェーンと全く同じ。
「ワタミ」はこの作品で自殺した主人公にブラックぶりを全面謝罪し、企業体質を改めると宣言したが、最近また残業代未払いで大問題を引き起こしている。

この作品で描かれた実態は何も変わっていない。
作品、読んでいて辛く、切なく、悲しみがこみあげてきて大変だった。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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