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道尾秀介    「背の眼」(下)(幻冬舎文庫)

 物語では、東京から移住してきて白峠村で「あきよし荘」という民宿を経営する歌川という人が登場する。

 この歌川は「あきよし荘」を始めた直後妻秋子を骨肉腫で失う。
息子秋芳と2人暮らしとなるが、この秋芳も川に落ちて死んでしまう。歌川は秋芳は彼がハモニカを教わりに遊びにゆく痴ほう症の呂坂寿々に殺されたと疑い、寿々を自殺に追い込もうとする。
 同時に歌川には死んだ秋子の人格が棲みつく。

この歌川に棲みついた秋子が、次々児童を殺害する。
ここが物語の評価をわけるポイント。

 秋子は息子秋芳の死を悲しんで、秋芳の死に対する復讐として、秋芳と同い年の児童を次々殺害する。

 秋子が歌川に憑依して、肉体は歌川だけど、実態は秋子として、児童を殺害するのは、なるほどホラーとして納得はいくが、秋芳と何の関係もない児童を秋芳の復讐として殺害するのはいかにも動機としていかにも弱い。

 憑依のアイデアはうまい発想と思えるが、もっと納得できる動機を創造して欲しかった。

 本のタイトルにもなっている背に眼が写真に写っている人が必ず自殺することについて。
これは、眼が写っている人が自殺に至るのではなく、自殺しようとしている人に、死んだ人が、霊界のほうが住みごこちが良いよと、死のうとしている人の体にとりつくために起きる現象と説明されている。

 読みやすいが、モヤモヤ感イライラ感が残る作品だった。

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| 古本読書日記 | 07:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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