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なぎら健壱    「下町小僧」(ちくま文庫)

 なぎら健壱は私と一歳違い。生まれが東京と田舎の私とでは見るもの、経験は少し違うが、同じ空気を吸って育ってきたので、この本は昭和30年代、40年代の描写がなつかしく、郷愁をそそる。記憶力によるものなのか、調査を綿密にしたのか、当時が余すところなく描写されており、なぎらの昭和の時代を残したいという情熱がこもった作品になっている。

 今は、料理の味の決め手としてふんだんに使われているチーズ。家で初めて食べた時すえたような匂いと腐ったような味に驚き、腹を壊すと大騒ぎして捨てたことをこの作品を読んで思い出す。

 昭和34年白土三平の「忍者武芸超」横山光輝の「伊賀の影丸」で忍者遊びが流行した。特に「忍者武芸超」では色んな技を白土が詳しく説明するので、その説明に従い、忍者のまねをしようとした。すべて漫画のようにはいかなかったが。

 小さな穴を掘り、そこに布をかぶってかくれたつもりになって、隠れた子を探す鬼ごっこをよくした。かぶった布が、ごそごそ動くものだから、隠れ場所がすぐにわかる。しかし知らないふりをして、その布を踏みつけてみんなでさがしまくった。少したつと、布の下の忍者が耐えられなくて顔をだす。

 みんなで「えー、そんな所に隠れてたの。全然わからなかったよ。」と言う。忍者が「本当にわからなかったの。」目に涙をいっぱい浮かべて得意そうに言った。

 なぎらが小学校の頃、月光仮面がブームになり、誰も彼もが月光仮面に扮し遊んだと描く。
しかし、私の田舎では「赤胴鈴之助」だった。月光仮面がする独特の形をしたメガネが田舎では手に入らず扮装ができなかった。

 赤胴鈴之助は昭和33年福井福田英一の漫画で「少年画報」に登場した。福井英一は天才漫画家で、手塚治のライバルだった。福井の「イガグリくん」が登場したとき、手塚が「負けた」と語ったことは有名。ところが福井が赤胴鈴之助を発表した直後に急死。2回目からそれを武内つなよしが継いだ。

 赤胴鈴之助には「真空切り」なる必殺技があり、ライバル竜巻雷之進のイナズマ切りとの対決にはいつも手に汗をにぎった。
 映画で赤胴鈴之助が真空切りをすると画面全体が紫色に変わり風が吹きあがった。

テレビでも放映され、子役で有名になる前の吉永小百合、五月みどりがでていた。
 こんなことをなぎらのこの本から教わった。少し幸せ気分になった。

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| 古本読書日記 | 06:34 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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