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外山滋比古   「思考の整理学」(ちくま文庫)

 2008年東大・京大の生協で売上1位になったことで有名となった作品。
先ごろ外山が亡くなり、名著としてまた脚光を浴びている作品。

日本の教育はグライダー型の人間を育てるための教育、これを変革して飛行機型人間を生み出す教育にせねばならないと力説する。

 グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機が混ざっていてはいけない。ひっぱられるままに、どこまでも従順についてゆくことが求められる。勝手に飛び上がるのは規律違反。
こんな人間は排除せねばならない。ひたすら、先生の教えることを記憶し受け入れる教育。
知識詰め込み型が日本的教育。

 これに対して、自分の力で空を飛ぶ飛行機を造ってみようとする人間を育てるのが飛行機型教育。個人の能力を発揮させるための教育である。

 この考えは、耳にすると一瞬その通りと思う。

しかし、ゆっくり歴史を振り返りながら考えなおすと、世界を変革するような発明を行う人は極めてまれ。殆どの人間は、知識を詰め込まれながら、社会へでてゆく人間である。何か新しいことを発明したとしても、すでに解明済の内容が殆ど。つまり変革者というのは何百万人に一人いるかどうかの確率。

 だから教育は多く知識を持ち、常識的な人間を作り上げることが社会にとっては重要なのである。

 この作品を書いている外山にしても、社会を一変するような発明を創造しているわけでは無いし、また教育者として創造的人間を造っているわけでない。

 しかし、創造的人間を発見し、その人に見合った教育はせねばならない。その発見は若年になればなるほど難しい。創造的人間を育成する教育は大学が受け持つべきだと思う。ノーベル賞受賞の中山教授が作られるのは大学である。
 今のノーベル賞受賞は一人では成しえない。そのバックに多くの従順な人たちがいることによって実現される。

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