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額賀澪   「拝啓、本が売れません」(文春文庫)

 タイトルから想像して、一つ二つの作品は、何かの文学賞を受賞して文学界にデビューするも、その後鳴かず飛ばずの状態になって、本も出版できないほどに追い詰められ、困窮生活をしているというような自虐的作品なのだろうと思ったが全く違っていた。

 作品を造ってゆく過程、販促の事情、更に書店からみた本の評価、それに最後、本のカバーの装丁、更に作品が映像にされる背景などを調査して、今はどんな作品が求められるかを現場調査から考察した前向きな作品だった。

 出版社の人が言っているが、本の市場は実に小さい。だから、作品を何とかアニメ化したり映像化して、そちらで稼がねばならないのが現状らしい。アニメとのタイアップは殆どライトノベル。だから、今出版社の経営を支えるのはライトノベル小説だそうだ。

 一般の作品の映像化は目安だが、最低30万部売れてないとされないそうだ。30万部も売れている作品だったら映像化しなくても出版社にも利益がでていると思うが。

 最近不思議だと思うのは、出版と同時に帯や広告に書店員の感想が書かれていること。本を出版前にプルーフという原稿に作家の思いが書かれたものが、事前に多くの書店に配られているそうだ。それで前もって原稿を読み、感想を出版社に送る。中には辛辣な感想や欠点が指摘しているものもあり、結構出版前に書き直すことも多いらしい。

 装填も重要。装填をみて本を手にとる客が多いから。

川谷康久というデザイナーがいる。彼は挿画を立体的にする。例えば雲の下にタイトルが来る。それでも川谷さんは、タイトルを邪魔しないようにする。全く新しい装填を使う。この作品の中に過去の作品の装填が載っているが、すべて素晴らしい。この装填を見たら、本を買いたくなる。

 額賀さん、2015年に作家デビューして5年の間に18冊の作品を出版している。

よくそんなに次々アイデアが沸いてでるものだと感心していたら、アイデアは最初編集者と額賀さんとで出し合い、そして2人で作品のプロットを創るそうだ。そしてプロットが決まると、後はひたすら作家額賀さんが執筆するそうだ。そうだろうと思う。そうしないとこんなに短期間にたくさんの作品はできない。

 一人で作品を書いている作家は、プロットを数年かける場合もある。額賀さんは、本の自動作成機械のようだ。

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| 古本読書日記 | 06:38 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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