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荻野文子   「ヘタな人生論より枕草子」(河出文庫)

 枕草子。恥ずかしいが殆ど中身は知らなかった。この作品で知ったのだが単なる季節の変わりを愛でるようなエッセイ集ではなく、作者清少納言の恋の赤裸々な告白や権謀術渦巻く宮廷政治に翻弄されつつもそれに負けないよう懸命にもがく姿を率直にしたためた作品だった。

 その枕草子から学び取れる教訓をわかりやすい解説とともに説明したのが本作品。
本当は、清少納言の恋や政治についてのエッセイを紹介するのが本筋と思われるが、脇道にそれるが、面白くてうなった部分を紹介する。

「気に食わないもの・・・うっとうしくにくらしいと思っている人が、こっちがそっけなく言っても、ぴったりとくっついて親密な態度をとっているの。『少し気分が悪い』などと言うと、いつもより近くに臥して、・・・気の毒がり、別になんとも思ってはいないのに、まとわりついて追従し、世話を引き受けて大騒ぎする人」

 これに著者の萩野が自分の経験を重ね合わせる。

 学年が変わり席替えが行われる。それほど親しくも無い女の子が隣の席になる。その途端彼女が言う。
「アタシたち今日から親友ね!」

 ちょっと違うんじゃないとは思うが、言い返すほどのことではないので放っておくと、いつのまにか「トイレまで一緒」の女学生生活が始まる。

 自由行動のイベントなのに、「ほらここよ。席をとってあげといたよ。」と手を振ってくる。鞄も文具も「ほらオソロよ」。もらった手紙をのぞきこまれて、「なに?なに?」と全く一人になれない。

 もう少し怒って「友達はあなただけじゃないのよ。」と態度で示す。すると悲しそうに「私のどこがいけないの」と古女房が浮気亭主に迫るように聞いてくる。まいって「そんなつもりはないのよ。」というと、「いいわ。許してあげる。」と自分が罪人になってしまう。
 これこそ、萩野流最大の「気にくわないもの」


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| 古本読書日記 | 06:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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