fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

澁澤龍彦    「妖人奇人館」(河出文庫)

 怪人ラスプーチンや切り裂きジャックノストラダムスなど歴史上の怪人奇人をとりあげ
軽妙な語り口で紹介するエッセイ集。

 あの超ベストセラーになった五島勉の「ノストラダムスの大予言」より以前に澁澤はノストラダムスを紹介している。ノストラダムスは」16世紀はじめフランスに登場した文学者で、奇怪な「予言集」を残している。ナポレオンの登場、ヒットラーのユダヤ人虐殺や第二次世界大戦を予言している。しかし、実際は後の研究者がかなりこじつけて予言を解釈した結果が多い。1997年7月に大戦争が起こると予言されているが、何もなく過ぎ去った。

 2020年のコロナ汚染も当てているらしい。

面白かったのは18世紀に登場した「不死の人」サンジェルマン伯爵。何しろ2000年も生きている。カサノバが食事に誘ったが、2000年も生きていると、生きるための基本的行為食事は必要なくなるので、サンジェルマンは食事を断っている。

 2000年生きていると言うことは、シバの嬢王にも会っているし、キリストの奇跡にも遭遇している。バビロンの都にも旅をしている。

 ある時、男がサンジェルマンの召使に「彼はうそをついているのだろう」と問い詰めると
召使が言う。
 「私は召使になってまだ300年しかたっていませんので、それ以前のことは知らないのです。」と答える。

 すごいサンジェルマンも召使も。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 05:48 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT