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成田龍一    「戦後史入門」(河出文庫)

1960年に当時の池田首相が「所得倍増計画」を打ち出す。その少し前から空前の経済の高度成長が起こった。人々は豊かになり、日本が希望に溢れ、最も輝いた時代だった。

 そんな説明の後この本は突然、無差別殺人を起こした永山則夫が登場する。そして、彼の生い立ち破綻してゆく過程を説明する。高度成長を担ったのは、地方から集団就職で都会にやってきた若者だった。しかし50%以上の若者は、仕事を次々変えてゆき困窮した。

 高度成長は希望の時代でなく、永山の視点から評価しなくてはならないと成田は言う。
歴史はみる視点により全く違ってみえてくる。いろんな視点から歴史をみるようにしなくてはならないと。
 在日コリアンの視点、女性の視点、沖縄の視点からみた戦後史を提供する。

 どこか違和感を感じる。そもそも歴史は、権力者の観点から造られるものである。

もし日本共産党が政権をとったら、歴史の事実は変えられないから、起きたことは共産党が市民とともに大きな反対運動を起こした。そいう共産党の歴史が今の政権奪取につながっていると歴史解釈を180度変えるだろう。

 成田は大学教授。自分の視点で歴史を語り、その視点を実現したいのなら、教室にとどまるのではなく、市中で活動したらどうなのか。

 日本は民主主義の国なのだから、同じ視点を持つ人々を集めて、選挙で多数を取ればよい。
 本の出版だけでふんぞりかえってだけでは何も変わらない。

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| 古本読書日記 | 06:30 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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