滝羽麻子 「白雪堂化粧品マーケティング部峰村幸子の仕事と恋」(角川文庫)
会社を定年に「なって、別の会社にアドバイザーとして勤めた。定年退職した会社は安定した大企業だったが、その後勤めた会社は従業員200名少しの中堅企業だった。
雰囲気が全く違った。中堅企業は社長が起業して20年余の会社。とにかく会社で一番働くのは社長だった。必死さは尋常では無かった。商品、運営すべてを社長が決めた。
会社=社長だった。
この物語の会社は創立30年。化粧品製造販売の中堅企業。オーナーのマダムと言われる女性が30年前「シラツユ」というブランド化粧品を開発。この「シラツユ」が大当たりして伸びた会社。
しかし「シラツユ」が発売されてから30年。その時の顧客がそのまま年を重ね、今は60代が最大顧客。その次の世代から下の世代には売れず、じり貧になって、経営も厳しい。
入社二か月目の主人公と上司の女性が、来年の「シラツユ」は中身を少し変え若者もターゲットになる商品企画と販売促進案を提案するのだが、提案書をろくに見ず、マダムは却下。
何回も提案のやりなおしを命ずる。
私ガアドバイザーの会社も入社したての若い新人が企画提案するのは普通にみられた。前の会社では、考えられなかったことだ。
マダムは自分こそ会社。自分がやってきたことは正しかった。新しい提案など、受け入れられないと強く思う。
しかし練り直された数回あとの提案にしぶしぶこれで行きましょうと受け入れる。
主人公たちは販売方法の改革取り組みに邁進する。
年明けマダムが社内会議で宣言する。会社は大手化粧品会社の傘下にはいる。今のままでは会社が持たないからと。
若い社員の企画提案書を受け入れたとき、会社は自分のものではなくなったと思い、会社の身売りを決断したのだろう。
私のアドバイザーしていた会社もいずれ社長がすべてを決めることから脱却をしないといけないのだろう。そのタイミングを間違えないでほしいと思う。その時この物語の会社のように身売りといこともないようにして欲しいと望む。
滝羽さんは、会社をリアルに描く。解説を読むと、この小説を出版したときは、小説家と会社と2足のわらじをはいていたそうだ。
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雰囲気が全く違った。中堅企業は社長が起業して20年余の会社。とにかく会社で一番働くのは社長だった。必死さは尋常では無かった。商品、運営すべてを社長が決めた。
会社=社長だった。
この物語の会社は創立30年。化粧品製造販売の中堅企業。オーナーのマダムと言われる女性が30年前「シラツユ」というブランド化粧品を開発。この「シラツユ」が大当たりして伸びた会社。
しかし「シラツユ」が発売されてから30年。その時の顧客がそのまま年を重ね、今は60代が最大顧客。その次の世代から下の世代には売れず、じり貧になって、経営も厳しい。
入社二か月目の主人公と上司の女性が、来年の「シラツユ」は中身を少し変え若者もターゲットになる商品企画と販売促進案を提案するのだが、提案書をろくに見ず、マダムは却下。
何回も提案のやりなおしを命ずる。
私ガアドバイザーの会社も入社したての若い新人が企画提案するのは普通にみられた。前の会社では、考えられなかったことだ。
マダムは自分こそ会社。自分がやってきたことは正しかった。新しい提案など、受け入れられないと強く思う。
しかし練り直された数回あとの提案にしぶしぶこれで行きましょうと受け入れる。
主人公たちは販売方法の改革取り組みに邁進する。
年明けマダムが社内会議で宣言する。会社は大手化粧品会社の傘下にはいる。今のままでは会社が持たないからと。
若い社員の企画提案書を受け入れたとき、会社は自分のものではなくなったと思い、会社の身売りを決断したのだろう。
私のアドバイザーしていた会社もいずれ社長がすべてを決めることから脱却をしないといけないのだろう。そのタイミングを間違えないでほしいと思う。その時この物語の会社のように身売りといこともないようにして欲しいと望む。
滝羽さんは、会社をリアルに描く。解説を読むと、この小説を出版したときは、小説家と会社と2足のわらじをはいていたそうだ。
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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑