fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

原田マハ    「サロメ」(文春文庫)

 「サロメ」は1891年、新約聖書を元に、イギリスの作家オスカー・ワイルドが創った戯曲。

ユダヤの王ヘロデは兄嫁の妃であったヘロディアを娶る。その後、ヘロディアの娘サロメにも手をつけようとする。これに対し予言者のヨハネがヘロデに対し意見をする。それに怒った王ヘロデは、預言者ヨハネを獄につなぐ。

 サロメはヨハネに恋心を抱く。しかしヨハネはサロメの忌まわしいおいたちを嫌い、サロメを拒絶する。
サロメはヘロデの誕生日に「七つのヴェールの踊り」をヘロデの前で披露。これに感動したヘロデは何でもつかわすとサロメに言う。サロメはヨハネの首をとらしてほしいと所望する。ヘロデはヨハネが神の使いである預言者のため恐れたが、サロメにしつこくせがまれ、サロメにヨハネの首を取ることを了解。サロメはとった首を銀の皿にのせ、そこに口づけをする。恐れおののいたヘロデはサロメを殺害する。

 この作品は、預言者であるヨハネを殺すということで戒律の厳しいイギリスでは上演が禁止された。

 そこでオスカーワイルドは作品をフランス語で書き、初演はパリで上演された。

その後、「サロメ」は英訳され出版されることになる。実はその本に挿絵が挟まれている。
挿絵はオーブリー・ピアズリーによって描かれる。

 このオーブリーを大天才画家として原田は描き、ワイルドとオーブリーとの爛れた関係を創造し、その天才画家の破滅人生を創り上げ作品にしている。

 オーブリーには一歳年上のメイベル・ピアズリーという姉がいる。オーブリーは結核を患っていて姉メイベルが献身的に世話をする。メイベルは女優としてオスカーの戯曲のサロメ役を狙っている。

 オスカーは男色者でオーブリーを手籠めにする。しかし、別の男が現れパリ公演の前に捨てられる、メイベルもサロメ役にはなれなかった。
原田は「サロメ」が大喝采を浴びたのは、オスカーの戯曲によるものではなくオーブリーの天才的挿絵にあったと描く。

 そして、オーブリーの描いた皿にもられた首はヨハネではないとして、それはいったい誰なのかミステリータッチでその真相を追う。

 オスカーの「サロメ」を挿絵作者サイドから描く、原田の想像がほとばしる作品。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT