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朝井リョウ  「風と共にゆとりぬ」(文春文庫)

 朝井リョウ2作目のエッセイ集。

このエッセイ集に収録されている朝井の長い間苦しめていた痔瘻の手術の体験を綴った「肛門記」は名作内田百閒の「ノラや」を超えるほどの、まれにみる名作だ。素晴らしすぎて、うまく紹介できないので本をとって読んでください。

 手術台にのせられ、下半身を晒し、女性の看護師さん2人に剃毛をしてもらう。痔瘻の手術だから、お尻の剃毛である。終わると看護師さんが言う。

「毛を剃ったら、お顔がでてきましたよ!」朝井のうつ伏せになった顔が真っ赤になる。
こんな笑ったり、おセンチになったりする場面が朝井の見事で多彩な表現により活写される。

 朝井が某シンガーソングライターのライブに招待される。初めて坐る関係者席。ここに座る人は、コンサートが終わった後、楽屋に挨拶に行って、贈り物をすることが慣習になっている。

 それで朝井はネットで歌手の好物を調べる。
 「外国の品物ではチョコが好き。日本の物だったらわさび」と書かれている。
朝井はあちこち回って頑張って7種類のワサビを集めて、楽屋に挨拶に行って、贈り物の「わさび」を渡す。

歌手は、一応有難うございますとは言うが、怪訝な顔をして全くうれしそうではない。

変だなと思って、朝井はスマホで記事を確認する。記事に対するコメント数が驚くことにゼロ。タイトル確認すると
「ヨガインストラクターの〇〇〇〇」

なんと歌手と同姓同名のヨガインストラクターの記事だったのである。

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| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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