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司馬遼太郎   「菜の花の沖」(五)(文春文庫)

 この5巻にはまいった。まったくと言っていいほど主人公の高田屋喜兵衛は登場しない。殆どすべてが当時のロシア事情、ロシアからみた物語になっている。多くの読者が読むのに苦痛が伴ったように思う。

 ロシアは、食料確保という名目でレザノフを代表にして日本の長崎に軍艦を派遣し、兵力を背景に国交、通商を迫った。6か月も軍艦を滞留させたが、徳川幕府はその申し出を拒否する。

 これに怒ったレザノフは部下に択捉、国後を襲えと指示する。(本当は指示していないという見方もあるようだが。)
 レザノフの部下は、たびたび択捉を襲撃。島の人を殺害したり、捕虜として拉致する。

  そして、襲撃船ディアナ号船長リカルドが油断していたとき、日本はリカルドと部下を捕獲し、北海道の松前に連行する。

   この巻で印象に残ったのは、レザノフが長崎で長崎奉行との面談の描写。当然、面談は日本の形式で行えねばならない。ということは、レザノフは長崎奉行の面談に際しては、土下座をせねばならない。これは何とかレザノフは受入れ対応したが、実際の面談は用意された椅子に座る。一方奉行は脇息に肘をかけ、座布団に座る。すると奉行は常に顔をあげてレザノフと対話することになり、奉行のほうが地位が低くみえるようになる。

 この状態で、ロシアの申し入れを拒否を通告するのは滑稽にみえる。

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| 日記 | 06:44 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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