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真山仁    「売国」(文春文庫)

 この作品に登場する文部省官僚の近藤が主人公の検事富永に言う。
「例えば、日本の製薬会社が胃がんの特効薬を開発したと想像してください。効果は抜群、これで胃がんで亡くなる人は一気の減るという画期的な薬だとしましょう。但し、その使用が認可されるためには、薬事・食品衛生審議会の厳しい審査をクリアする必要があります。
 認可される前にこの製薬情報を、薬事・食品衛生審議会の委員がアメリカに売り渡したならば、こいつは紛れもなく売国奴です。
 そしてアメリカで開発した薬品として使用されるまで、審議会が申請があげられても、書類不備を指摘して、何度でもつきかえす」

 作品では国会でもめた特定秘密情報保護法もアメリカに強制されて国会に上程された法律と書く。

 保護する中身は、アメリカにはすべて公開し、どれを秘密にするのかもアメリカが決める。
作品では、日本の高度成長を支えた技術は、殆どアメリカのスパイによりアメリカに提供され、わずかに原発技術と宇宙開発技術だけがアメリカを凌駕する技術として残っていると描く。

このうち原発は大震災により、輸出が困難になる。残る宇宙技術をアメリカのスパイに提供するために奔走する技術者、政治家、官僚の売国の様を描く。スパイや間に入った政治家、官僚には膨大なお金が手にはいる。

 面白いのは、お金は弱小金融機関信用金庫にはいり、融資という形式を経て売国奴の手にわたると描かれるところ。

 アメリカは優秀な高校生、大学生に目をつけていて、アメリカに無償で留学させ、研究者として取り込むこともすでにしているそうだ。

 真山の作品は、どれも衝撃的内容で、実際も物語の通りじゃないかと思わせてしまう。

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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