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窪美澄     「じっと手を見る」(幻冬舎文庫)

 小説の在り方評価を論ずるのではない。しかし自分が好きな小説はやはり現実によこたわっている社会の現実を描き、その上に作られている物語になっている小説だ。部屋に閉じこもり、想像、妄想だけに頼って書かれる小説を芸術的に高いと評価するひとたちがいて、社会を扱っている小説を低くみる、どうも妄想小説はついていけない。

 窪さんの小説は、社会がいつも描かれている。この小説も、介護士、デイサービスの現状が細かく丁寧に描かれる。東京に憧れるが、介護士として将来の希望がふさがれ、田舎にとりのこされた若い男女の悲しい恋愛、憧れの東京にしがみついた展望のない恋愛が、丹念に描かれる。

 恋愛の形を無理やり変えてみても、現実の辛さ厳しさが常に足を引っ張り、気が付くと希望のない元の世界に戻っている。

 物語は窪さんの心情が表れ、最後は希望に灯された状態で終了する。

しかしとても、希望があるようには思われない。
 ぜひ、窪さんに日奈と海斗のせつない恋のその後を描いてほしい。

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| 古本読書日記 | 06:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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