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垣谷美雨   「リセット」(双葉文庫)

 「竜巻ガール」でデビューした垣谷さん2作目の作品。垣谷さんは1959年生まれ。40歳まで会社勤めをして作家に転進している。垣谷さんが社会人だった時代、社会は男尊女卑が色濃い時代。そんな時代は、女性社員は23歳くらいまでに結婚して家庭にはいるのが常識時代。24歳以上になって会社に残っていると、会社からは疎外され、完全にその女性は何か欠陥があるのではと思われて完全につまはじきにされる。何しろ会社募集要項は男女別。
女性の募集要項には「年齢は23歳まで」と条件が付いていた。

 垣谷さんは、そんな男尊女卑社会に完全に怒っている。

この物語は、3人の高校同級生が40歳の時に、もう一度高校生からやりなおしたいと思って集まったレストランにタイムトンネルのしかけがあり、それに乗って高校生にもどったところから人生をやりなおす物語になっている。

 3人の女性。知子は高校生時代イケメンだった香山浩之と結婚し、3人の子供を育てる。香山家は朋子が何かをすることを徹底的に封じる。とにかく機械のようになって、浩之、香山家に忍従して生きてきた。知子は高校のころ女優になりたかったが、当然家が許さず、浩之との結婚を選択した。

 薫は成績が学年で1番を争う、秀才。大学に進み、一流会社に就職。さげすまれ、排斥されつつもその悔しさをバネにして男社会のなか、副部長まで昇進。しかし、その反動で独身のまま40歳になる。平凡な結婚生活に憧れている。

 晴美は劣等性でつっぱっていた。高校生の時、出稼ぎにきていた建設現場労働者の子供を身ごもり捨てられ、今はスーパーと居酒屋掛け持ちのパート従事者として底辺の暮らしをしている。金持ちの旦那をつかまえ優雅な生活をしたいと思っている。
そして高校生に戻って、朋子は女優となり、薫は朋子の夫の浩之と結婚し過程を創る。晴美は名家で医者である家の息子と結婚する。

 この物語で面白いのは、3人が歩んできた人生の記憶と現在の状態を認識していて、それぞれ異なったやりなおし人生を歩み出した他の女性の愚痴、苦悩に自らの40歳までの経験から新しい人生に対しアドバイスするところ。

 そして、異なった人生を歩んでみても、男中心社会の圧力にふりまわされ、一人の確立した人生を歩めないことが認識される。

 それに対し作者垣谷は怒りをぶちまけるのである。
垣谷の勢いが実現してゆくと、そのうち男、女と言う言葉死語になるように思えてくる。恋愛は同一性でも当たり前のように行われるし、スポーツも女性に力がつき、男女別スポーツハなくなり、男、女はすべて人間という言葉に収斂されるように感じる。

 男。女という言葉を使うと差別、セクシャルハラスメントと非難される時代がやってくる。

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| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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