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島本理生   「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」(幻冬舎文庫)

 30歳の女性3人大の友人同士。それぞれの人生で抱えている悩みを物語にして紡ぐ
オムニバス風の作品。

 この物語の中心になっているのが、仕事熱心なOL知世と、仕事で出会った離婚経験のある取引先のエンジニア椎名との恋物語。

 どうも2人の恋のありよう有様が実感が伴ってこないし、恋愛中ということが読んでも伝わってこない。それは、椎名が自分はHIVのキャリアと告白したからかもしれない。

 それでも、知世は好きだ、好きだとひたすら思い募る。どこが好きなのかまったくわからず、ひたすら、好きだ好きだと思い詰めるだけ。

 一方の椎名も年齢差があることが理由か、ひたすら、
「君が好きなんだ。俺には勿体ないと思っている。一緒にいれば楽しいし、大事で仕方ないし、きちんとしたい。」
 という言葉が長い物語で語られる。一緒にいれば楽しいという雰囲気が全然伝わってこない。
 この知世が、2歳年下の風祭の誘いにのって、バーにゆく。少し酔って雰囲気もよくなり、
風祭が
 「キスしていいですか。」と聞く。
知世が
 「ダメです。」と断る。その後の文章が素晴らしい。


椎名さんのことは好きだけど、三十歳になった途端に自分を堅く水気のない豆腐のように感じていたのも事実だった。中途半端に崩れやすいまま形が定まってしまったような。

こんな文章があるから島本作品に引き付けられてしまっている。

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