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保坂和志   「書きあぐねている人のための小説入門」(中公文庫)

 新しく小説を書こうとしている人のための小説入門編。

最初に、理窟屋保坂らしい、小説と哲学の相違が語られ、何も小説を書くために哲学に言及する必要は無いのではと思い驚く。
 保坂は「小説とは書きながら自分自身を成長するもの」「書く前の自分より書いた後のほうが成長しているもの」と定義付けている。

 そして彼はストーリー小説を評価しない。ストーリーがあらかじめ決まっていて、結末に向かって書かれた小説はいいものは書きうることはできない。

 保坂が読んだ小説で衝撃を受けた作品は田中小実昌の「ボロボロ」。

ストーリー小説には伏線がある。だから一行ずつ面白いということは無い。次はどうなると期待感によって引っ張ってゆく。しかしどの文章でも面白いわけにはいかない。だからどうしても倦怠感を覚えることがある。
「ボロボロ」ではストーリーがあるわけではない。一つ一つの文章に情熱があり面白い。

保坂はこんな小説もあるのかと驚き、これこそが本当の小説だと思い込む。

 保坂の小説は、ストーリーを決めたり、テーマを持たせない。登場人物だけを決め、そこに情熱をこめて彼らを動かす。その時小説で成長するためには、自らを小説に投入せねばならない。魂をこめて必死にひたすら書く。これが小説だと言う。

 保坂のデビュー作「プレーンソング」編集者から文学新人賞に応募しようと言われる。しかし制限原稿枚数が90枚。この小説は139枚ある。削りましょうと編集者が言う。
 この時保坂が言う。
「この小説はどこで切っても構わない。すきなところで終了してください。」

 すごいなあと思うが、これで小説を書けるとは思エない。私のレベルが低いと思うが、やはり小説にはストーリーが欲しい。

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| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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