FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

内田樹 鈴木昌   「大人は愉しい」(ちくま文庫)

 思想、哲学の碩学内田と精神分析者の鈴木がメル友となり、芦屋と鎌倉で交わし続けたメール交換日記。交わしたテーマは他者、ネット、映画、教育、イデオロギー、家族、天皇制など多岐にわたりいずれも重いテーマ。

 読者の私が年寄り過ぎ、集中力が継続しないで、十分理解できずに読了した。特に内田は難しい英語をカタカナにして多用するために、骨が折れた。

 その中で面白いと思ったのは教育について。

世の中には、科学的根拠はないが、人間には凡人と変人があり、その割合はニューヨークでは85%対15%だと考えられているそうだ。15%も変人がいると、無法地帯寸前にあり、混乱が起きても不思議でないそうだ。それが都市のダイナミズムを生んでいる。
 だから日本では変人の割合は4%程度ではないかと内田は言う。

凡人は常識、均質的なものを求めている。変人は混ざり合うことを求めている。

凡人にむかって「君自身の個性を発見して、独自な生き方をクリエイトせよ」とか「世の中や会社を大胆な視点で変革せよ」と言い、変人に対して「協調、協力を重視してひとりよがりな生き方を捨てろ」と言っても、これは悲劇を生むだけだ。

 教育の最も大切な視点は、変人をどう見つけて、彼らに対し、画一的な教育をやめ、個性を磨く徹底した自由な教育を施すようにすること。その抽出方法と教育方法を早急に確立することである。

 生徒を抽出することも難しいが、変人を教育する教師を抽出するのも難しい。教師はもちろん個性はバラバラだが、文部省の指導要領に基づき画一的な教育が求められているからだ。

 それから変人については、どの年代、段階から凡人と切り離して変人用学習にはいっていくかこれを決めるのも難しいかもしれない。

 実現には大きな壁が立ちはだかるが、面白い発想だし、読んでいてワクワクしてくる。

 教える教師も変革が余儀なくされる。ここで生まれた師弟関係は絆の強い、理想的な関係が生まれてくる予感がする。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT