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大森望編  「謎の放課後 学校の七不思議」(角川文庫)

 学校を舞台に辻村深月ら今をときめくミステリー作家の短編を収録したアンソロジー。
完全にノックアウトされてしまった作品は、田丸雅智の「E高校生の奇妙な日常」に収録されている掌編「自転車に乗って」。田丸は東京大学大学院工学系研究科を修了している異才を放つ作家である。

 主人公の俺は電車で通えるが、電車は使わず毎日30分かけて自転車で高校に通っている。

 ある深夜、小腹がすいたので、コンビニまで行こうとして家をでようとすると、自転車置き場の自転車がガチャガチャ音をだしている。自転車泥棒かと思って、置き場に戻ると、何と自転車が誰も手を触れてないのに、勝手にガチャガチャ動いている。

 まさか幽霊?それで思い切って近寄ってみる。するとタイヤやハンドル、サドルなんかまで車体が生命体のように力の限り動いている。そう、自転車が生きていたのだ。まるでゲージの中のうさぎのように。思い切って鍵をはずす。自転車は大喜びで俺の周りをぐるぐる回る。

 それから気がつく。人前ではそんなことは決してしないが、誰もいないと自転車は俺に寄りかかってきて体をなすりつける。

 そして、時々帰宅しようと學校の自転車置き場に行くと、自転車がないことがしばしば起きる。それで、探すと必ず赤い自転車の横に移動している。

 ある日、自分の自転車だけでなく赤い自転車まで無くなっている。

 トボトボ歩いて帰る途中、向こうから俺の自転車がやってくる。そしてびっくりすることに、サドルのところに赤い自転車を乗せている。自転車同士の2人乗りだ。

 発想もユニーク。思わず微笑んでしまう愉快な物語だ。

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| 古本読書日記 | 06:34 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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