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逢坂剛    「アリゾナ無宿」(中公文庫)

 天涯孤独になった主人公マニータことジェニファ、賞金稼ぎを生業にしているストーン、
それから日本から漂流してきた日本人サグワロの三人組が、賞金稼ぎのために、凶悪なお尋ね者を追い対決する物語。

 西部劇は、ハードボイルド、緊張と興奮する場面が次々現れ、手に汗握る状態が止まらないのが特徴。その特徴が、この作品には全くない。

 インディアン スー族にマニータことジェニファは養われていた、そのスー族が白人との戦いに敗れ全滅。その白人の兵士ラクスマンに拾われ、彼に育てられたジェニファが、ストーンとともに賞金稼ぎを行うところまでに82ページを費やす。
 その経過も重要と思わないではないが、読者が期待しているのは、荒くれども同士の対決場面。前書き部分が82ページはいかにも長い。気持ちが萎える。

 それから意表を突こうとしたと思うが、物語が女性のジェニファの一人称で書かれているのが失敗している。西部劇を女性が語るのはいかにもあわない。どうしても、女性的表現になるから、場面に切れ味がでてこない。それに、3人組の一人が日本人というのも、西部劇にフィットしない。

 ストーンのしゃべり。
「そいつは気の毒な話だが、その事件とわたしたちとどんな関係があるのかね。」
こんなだるい言葉は西部劇では使わない。

 日本に根の張った作家が、無理に西部劇に挑戦しようとしている。無謀な挑戦だった。

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| 古本読書日記 | 06:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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