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司馬遼太郎    「項羽と劉邦」(中)(新潮文庫)

 項羽と劉邦の戦いを中心に描かれる。

この戦いの中で、3つのことが印象に残る。

 秦の都威陽を征服するのに、項羽は王道を行って、難所函谷関より攻め入った。ところが劉邦は南の平坦な道より攻め入り、項羽より早く秦威陽を陥落させる。しかもあろうことに函谷関より侵入してくる項羽軍に対し、長大な壁を築き侵入の邪魔をする。
 この壁を何とか打ち破り、威陽に侵入した項羽は、劉邦に怒り狂い、劉邦を殺害しようとする。劉邦は項羽と戦っても、兵力は劣り、負けることはわかっている。

 項羽が劉邦に向い、無数の罪があると宣言する。すると劉邦は這いつくばり、項羽の靴をなめようとしながら許しを請う。項羽は劉邦はこんな情けない奴だったのかと氣がぬけて殺害をやめる。項羽は甘く、冷徹を貫けないことが第一点。

 劉邦は、自分が負けだと思うと、恥も外聞も捨て、助けを請うことができる人物である。

 次に、項羽は、秦の皇帝を人民の前で、惨殺する。更に、威陽の人民に、自ら穴を掘らせ、その穴に埋めて数十万の人々を殺す。これをみた人々は項羽に対し恐怖だけでなく、恨み怒りを増幅させる。人民は食料を生産するが、生産意欲は減退し、項羽率いる楚軍に対し食料を十分に供給できなくなる。人民を敵にまわすことが第二点。

 項羽の楚軍には、とびぬけて優秀な軍事リーダーの韓信がいた。しかし、項羽は自分と謀将である范増がいれば他の人間は不要。韓信は自分を重用するよう何回も進言したが取り上げてもらえず鬱屈する。優秀な人材を使えないのが三点目。

 この3つの項羽の姿勢が、項羽天下取りのための弱点となる。

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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