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辻村深月    「クローバーナイト」(光文社文庫)

 小さな会計事務所に働く鶴峯裕は同じく働いている妻志保と長女、長男の4人暮らし。そんな鶴峯家に子育てや保育の相談が次々押し寄せてくる。
 現代の保育、子育てを描く連作短編集。

それにしても現在の保育園状況はすさまじい。保育園入園は、子供を産んでも働き続けるために絶対条件となる。会社は3年間産休可能の条件があるが、3年も産休を取得する人は皆無。そんなことをしたら仕事の変化が大きくついていけなくなるし、昇進もあきらめなくてはいけなくなる。時短勤務もあるが、それも重要な仕事はできなくなり、昇進に響く。

 だから0歳から預けられる保育園入園をどうしても実現しなくてはならない。
 しかし、保育園の入園定員数が足らない。だから入園するための活動にみんな必死となる。この活動を保活という。

 入園は、役所の窓口に申込書を提出。担当者が申込書をもとに面接。その面接審査で採点が行われ、逼迫度の点数が高得点の順番に入園者が決まる。

 申込書には入園希望保育園を10園まで記入でき、もっと書きたい人は別紙が渡される。

それから、申し込みをした段階ですでに無認可保育園に入園しているか、ベビーシッターの世話を受けているほうが高得点となる。それで、申し込みが始まる10月には無認可保育園への入園希望者が殺到。だから無認可保育園でも10月は収容定員数がオーバーする状態になる。

 何と今は、受験、就活のような人生における戦争が生まれたときから行われているのである。

 この物語では、入園するために奥の手が使われる。申し込み直前に離婚をするのである。シングルマザーは、得点が大きく、入園の可能性は高くなる。入園してしまえば再婚手続をしてもとのさやに納まるのである。

 ところが、入園できても、事情により再婚しない人たちが結構たくさんいるらしい。
この物語でも旦那が浮気をしていて、再婚ができなくなりそうになる。

 いやはや大変な時代である。

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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