FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

呉智英     「読書家の新技術」(朝日文庫)

 古典の読み方や書評の読み方、ブックガイドなど知的生活者に送る読書論。
わかりにくい本を、読み砕くための技術。

最初の部分をゆっくり理解しようと読む。だいたい本は最初にこの本は何について書いているか、テーマなどが書かれている。そこをつかむと、後は速読できる。
難しい文章も、これは大切な言葉だと思うようなものを拾い上げて読んでいくと、およそ何を言っているかわかる。

 こんな説明の後に竹内豊治と橋本一範共訳の「マーラー」という作品の一部が紹介される。

「しかしながら短調和音で収縮し、無力を自白するがゆえに感傷的だと非難される無力な鳴き声は、定式のこだわりをときほぐし、到達できないため涙させる他者に心中を打ち明ける。
 マーラーにおける表示手段はひっくるめて調性であり、なかんずく逸脱のための、一般者において没落しない、それゆえにこそ一般者を必要とする特殊者の酵素のための、特殊者が読み取れるようになりかつ相違しているところの関連体系のための長調・短調二元論である。マーラーの作曲において一般的なのは結局、逸脱そのものである。楽音はーたとえばブラームスのようにーすべての利用できる手段の分節化によってではなく、妨げられない因習的なものを刺激する裂片によってつくられる。」

さすが呉智瑛、この文章が何を言っているのかわかるのか。私には日本語らしきことはわかるが、何度読み返してもさっぱり何を言っているのかわからない。

 呉智瑛も言う。俺もさっぱりわからねえやと。

書いている人はわかっているのだろうか。それともマーラーについて深い知識のある人はわかるのだろうか。それにしてもりっぱな迷文訳文である。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT