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司馬遼太郎   「覇王の家」(下)(新潮文庫)

 この作品、家康の天下をとるまでの軌跡を描いている作品と思って読んだが、実は違っていて作品は関ケ原の戦い直前まで。それで気が付く。この作品が信長の天下を取り光秀に殺害するまでを描いた「国盗り物語」に続く作品で、その後「関ケ原」「城塞」に繋がり織田、豊臣、徳川3代にわたる長大な物語になっていたことを。

 今まで司馬の熱心な読者でなかったので、今頃になり未読作品を読んでいるのだが、今でも司馬作品は多くの人に読まれているのだろうかと少し首をかしげる。

 司馬の作品は文学というより、司馬の歴史に対する解釈論である。

司馬作品の多くは、昭和40年代に出版されている。当時はNHK大河ドラマの全盛期。それを見て、その後、家庭で酒場で歴史の解釈を口角泡を飛ばすことが世の中の風潮となった。

 司馬の作品はその潮流のど真ん中にいた。

 この作品では、徳川と豊臣が戦った「小牧長久手の戦い」が延々と描かれる。現在の小説なら数ページで終わる。

 それが370ページにもなるのは、起こる事象について、司馬がひとつひとつ彼の解釈を長文にしたためているからである。

 多くの人が歴史に登場する人物、事件についてああだこうだと言い合った時代を背景にしているから、こんな解釈小説が流行したように思ってしまう。

 「小牧長久手の戦い」は家康が織田信長の次男織田信雄に要請され戦ったいくさである。家康はこの戦いに勝利するのだが、何と信雄が家康を裏切り、豊臣に寝返る。

 そのため、勝利した家康が卑屈にも秀吉の家臣となり関ケ原の戦いに参戦することになる。

 上巻では、信長により、家康は息子信康を自害に追い込む。
 よくも、ここまで忍従することに驚くとともに、家臣たちを抑え込み統制したことは奇跡とさえ思う。

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