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原宏一   「ヤッさんⅣ 料理人の光」(双葉文庫)

 「誇り高き宿無し」にして食の達人・ヤッさん」シリーズの第4弾。最近、ラーメン屋より多いのがパスタやピザを売り物にしたイタリアもどきレストラン。これのどこが本場の味なのかと言うほど質の低いレストランばかり。で、そんな店の宣伝文句にあるのが、店主が本場イタリアで修業しましたとい文句。

 その修業の実態。まずイタリアに行くことが先決。それで観光ビザで行く。星付きレストランで修業なんてのはまったく嘘。そんなレストランで不法就労の外国人など雇うことは無い。

 街中にある安食堂にかけあいやっと下働きで安賃金で働かされる。やるのは、ジャガイモ、大蒜、エシャロットの皮むきばかり。そのうちビザの期間が切れそうになる。それであわてて帰国。2か月ほどの体験で、日本に帰ると本場イタリアで修業と変わるのだからお客はたまったものではない。

 物語はそんなエセイタリア修業のショータが、ヤッさんにしごかれ料理人として出発できるまでを6篇の短編により描いた連作集。

 私は長野県生まれ。作者原宏一も長野県生まれ。長野県生まれの人たちには失礼とは思うが、とにかく理屈っぽい。原のこのシリーズは、料理を扱うが、少しも美味しさを感じさせない。料理人として生き抜くための料理道とは何かを具体的な料理修行をしながらヤッさんに導かれみつけてゆく。理屈ばかりの作品。

 この本のサブタイトルになっている「料理人の光」。星を獲得した料理人が、その星の評判を背景に、店を展開、海外まで出店をしようとして、失敗して自殺未遂までおこしてしまう。

 この中でも、原得意の理屈がさく裂する。

「食欲というものは人間が生きてゆくための力の源泉だ。肉体的な満腹を得るためだったら、家畜の餌みてえに、食材をそのまま食えばいい話だ。なのに、人間はなぜ料理をするのかと言えば、食材をそのまま食う以上の喜びがあるからだ。つまり料理人には、明日も頑張って生きようという喜びを感じてもらう使命がある。生きる喜びを感じてもらう喜びさえわすれなけりゃ、対価は自然とついてくる。」

 こんな大上段に振りかざした料理道哲学満載。
読んでいる私が、家畜の飼料のようなものを毎日食しているためか、読み進むほど気分が重くなってしまう。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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