FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

司馬遼太郎    「峠」(下)(新潮文庫)

 下巻は、維新史上もっとも激しい戦争だった北越戦争を描く。
 非武装中立論、あるいは武装していても中立を貫く。他国との摩擦は外交によって解決をはかるという主張が今の日本でも強い。

 小藩越後長岡藩大家老の河井継之助は、武装はしているが中立を貫いて、藩の生き残りをかける。

 西からは維新政府軍が攻めてくる。一方東からは、幕府の存続を目指す合津藩が攻め上げてくる。そこを河井は外交により両者を説得して藩の破壊を防ごうとする。だから、会津にしても維新軍にしても長岡藩が戦いで勝利しても、自軍は専守防衛を貫くとして、決して追いかけ相手を破壊しようとはしない。

 そして、やがて、どちらからも攻め入られ、会津に逃げ込もうとしている途上で、銃で撃たれ亡くなり、会津軍が敗れたことにより、長岡藩は破壊され消滅する。

 時代は今と異なるかもしれないが、外交や話し合いだけで国が保て、繁栄できるのか、この作品を読み深く考えてしまう。

 それから、河井継之助は、武装中立を主張し、外交によりそれを実現しようとするが、その抽象論の実行により、藩は消滅し、おびただしい数の被害者が発生させてしまった。

 その河井が維新のりっぱな志士として、本当に長岡で尊敬されているのか疑問に感じる。
 この物語には、河井が藩の人々から支持尊敬されるような実績、場面は殆どでてこない。

 河井は強烈なナルシストとして行動。そこにはたくさんの屍だけが残った。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 

| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT