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恩田陸    「失われた地図」(角川文庫)

主人公の鮎見と遼平、遼平の甥である浩平は「グンカ」という過去の戦争に駆り出された人たちの記憶力と戦っていた。

 戦争が勃発したころ軍都だったところに、裂け目があり、その裂け目から飛び出すのが「グンカ」。「グンカ」が飛び出すたびに戦争の悲劇が繰り返される。これを防ぎ、戦争が起きないようにするのが3人の役割。「グンカ」が飛び出す場所と時間は、近くの煙草屋の主人が感知していて、彼らにその場所に行くように主人から指示がでる。物語で登場する場所は錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木の6か所。

 彼らは、「グンカ」を裂け目の中に押し込み、裂け目を縫い合わせて「グンカ」の発生を防ぐ。時に彼らの手に負えないほどの「グンカ」が発生する。そのときは「グンカ」の敵である蝶を大量発生させ抑え込む。蝶の数が足らない。呉ではそんな状態になったが、呉で製造されて戦艦ヤマトが海に浮かびあがり、ヤマトが発光する青い光により「グンカ」を抑え込むという奇跡が起きたりもする。

 鮎観と遼平には、息子の俊平がいた。俊平は普通の子と異なり、2人がいさかいを起こすと、異常な声をあげ2人には対応ができない。それがたびたび発生するため、2人は耐え切れず、離婚をする。2人特に鮎観は、「グンカ」を排斥する仕事をやめようと思っている。

 そんな時、六本木の首都高の壁から、かってないほど大量の「グンカ」が発生する。とても2人では抑えきれない。もう戦争は避けられない。世界はグンカのものだと2人は観念する。

 しかしその「グンカ」の様子がいつもと異なり、群れの動きが突然止まり、静寂が訪れる。

鮎観と遼平は六本木の交差点にゆく。そこには、2人の息子俊平がたった一人で立っていた。
2人を認めると俊平は「ダイジョウブ」と声をあげ二人に近付いてくる。

 俊平は両親の仕事を引き継ぎ、戦争は起こさせない人類の希望を表しているように思えた。

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| 古本読書日記 | 06:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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