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村田紗耶香   「殺人出産」(講談社文庫)

 近未来に起こる社会の仕組みの変化とその時の人々の行動を描いた4編の短編集。

人殺しは理由の如何を問わず、悪であり、刑罰を受けるというのが現在の掟。

しかし100年後、人口減少が進み、何とかせねばならない状態に追い込まれる。
 そこで、国は、人工授精で子供を10人まで産めば、人一人を殺害してよいという制度を創る。

 あいつだけは殺したい。この世から抹殺したいという人を持っている人は多い。10人出産を実現できれば、憎い奴を殺すことができるのである。

 この制度の問題は、10人と言えば最低でも10年の年月が必要となり、この間流産でもすれば、更に期間は伸び、憎く殺したいという感情がそれだけ長持ちするかということ。

 物語では、特定の誰かを憎むということではなく、とにかく人を殺してみたいという欲望が強い女性がいて、10人出産を行う。

 そして、殺しの対象の人が選択され、その人に通知がされる。通知がされると、その人は逃亡しようとすると警察に身柄が拘束され、死に場所まで連行され、強い麻酔が打たれ、正体をなくす。そこで、10人出産の女性が登場して、刃物で対象の人を殺害する。

 物語では、殺された人が妊娠していて胎児まで殺されてしまうという落ちがつく。
これが本のタイトルにもなっている「殺人出産」。

 その他、恋愛はカップルでするのが今までの常識だが、100年後はトリプルで愛し合うのが常識になっている。
 トリプルのほうが、一人が家事、育児に専念しても、2人が稼ぐから生活が成り立ちやすいという利点もある。

 また、医学が進歩して、人間は病気、老衰では死ななくなる。こうなると、面白いのだが、安らかに、楽をして死にたいという人たちがでてくる。そのハウツー本がバカ売れする。

 こんなSFまがいの作品が収録。発想がおもしろく、ドキドキしながら自分を未来世界に連れていってくれる。

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