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深木章子   「鬼畜の家」(講談社文庫)

 この物語では、たくさんの不審死が起こる。物語は開業医の北川秀彦と看護師だった妻郁江、その子供、長男の秀一郎、妹の亜矢名、末娘の由紀名、この家族に起きる出来事が中心に展開される。

 まず、秀彦が診察室で毒薬を自ら注射してかされてかわからないが、死んでしまう。

次に、由紀名が養女にだされた田舎の農家菱沼家で、ある夜火災がおきて、由紀名は逃げるが、菱沼夫妻は焼死してしまう。

 そして、郁江とともに移り住んだマンションの5階のベランダから亜矢名が落ち、死ぬ。事故死か、自殺かわからない。

 さらに、秀一郎と郁江が、夜間ドライブをしていて港の岸壁から海に突っ込む。当然2人は亡くなったと思われるが遺体は発見されない。
 そして、亜矢名の交際相手(実は相手には妻がいる)の哲が死ぬ。自殺か事故かわからない。

解説の島田荘司は、いろんな事件が、矛盾なく推理が論理だてられていて、見事に真相に収斂していっていると作品を絶賛している。推理作家からみれば、論理だての手際よさが大きく評価のポイントとなるのはわかる。

 しかし、これだけ事件が起きると、その推理、論理は複雑になり、かつ、何回も読者が納得できるように同じ推理、論理が繰り返し表現され、しつこすぎて、物語としての魅力は全く薄れる。

 起こる事件を少なくして、本のタイトルである「鬼畜の家」の姿を全面にだした構成にしたほうがよかった。
 テクニックに溺れると、つまらない作品になる典型的な作品だった。

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| 古本読書日記 | 05:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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