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大島真寿美    「青いリボン」(小学館文庫)

 主人公依子の両親は家庭内別居中。依子を含め3人家族なのだが、互いに適当に距離をおいて暮らしている。両親とも、仕事にかけている。そして父親が九州支店長となり母親は上海に長期出張となる。依子は、北海道の祖父母の家に住むように両親から言われるが、高校生の大事な時に転校はできないと拒否し、結局友達の梢の家に下宿することになる。

 梢の家は、梢の他に浪人中の拓己、妹の多美、両親、祖父母と大家族、音や話し声の無い依子の家と違い、いつも騒々しく、テレビや音楽が映され、流れている。その元気で笑い声が絶えない梢の家庭が楽しく明るいので依子はうらやましく思う。

 一方梢は依子の家にきて、静かで、きれいに整頓されている家をみて、うらやましく思う。

この作品を読むと、大家族がひとつの家で住むことが素晴らしいということでもないし、かぎっ子のようにひとりぼっちでいることが多い家がよくないということではないことがよくわかる。

 家族がたくさんということは、悩み苦しむ人が発生する確率が高くなり、それを家族で抱え込むことになると、全体ギスギスして揺れ動くことになる。
 事実この物語でも浪人中の拓己が、突然コメディアンになると宣言して、大学受験をしなくなる。

 梢も依子も、自分の家庭が唯一と思っていたが、違った姿の家庭があることを知り、考え認識が広がり、少し大きくなったように感じる。

 私も依子の家族が、家庭内別居であることは少し評価を下げねばならないが、決して悪い家庭とは思えない。

 子供を犠牲にして上海に長期出張する母親などありえないというのは間違っていて、母親が夢をおいかけて仕事に邁進する、その姿に娘依子は誇りをもっている。

 もちろん、両親が留守の間、依子をどうさせるかはちゃんと手当はせねばならないが。

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| 古本読書日記 | 05:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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