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今村夏子    「あひる」(角川文庫)

 今村夏子2作目の本。短編3編が収録されている。本のタイトルにもなっている「あひる」も面白いが、印象に残ったのは2作目の「おばあちゃんの家」。

 みのりのおばあちゃんは離れに一人で住んでいる。みのりはいつも洗濯物やお弁当を届ける。そしておばあちゃんの家でお昼を食べ、漫画を読んで過ごす。

 おばあちゃんはいつも坐って繕いものや雑巾を縫っている。耳も遠いし、体も思う様に動かない。

 中学生になったときの村祭り。みのりは村祭りに行きたくて仕方がないのだが留守番を言い渡され家にいる。しかし、両親は9時まで帰らないと言っていた。それで我慢ができなくなり、神社に行こうとする。途中近道を通ろうとして草原にはいるがいつまでたっても草原をでることができない。泣きながら、歩くと通りにでる。公衆電話があり、家に電話する。

 するとおばあちゃんがでて、迎えにゆくからそこにいろと言う。そしておばあちゃんがやってきて家まで連れて帰ってもらう。

 母が作ったおはぎ6個をおばあちゃんと一緒に食べようと、離れに持ってゆく。何とおばあちゃんはその6個を全部食べる。

 そういえば、認知症になると、食事をとったかどうか忘れてやたら食べるようになると言われている。

 おばあちゃんはそれから、村を徘徊しだす。しかし必ず戻ってくる。父親は家からでられないよう、ありとあらゆる出口を封じるが、それでもおばあちゃんは家をでる。

 老人というのは、歳をとるほどに体が弱っていくものと普通は思う。しかし、痴呆が始まり、それが進行すればするほど、体がシャキっとなり剛健になってゆく。

 面白い物語だ。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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