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矢崎存美   「繕い屋 月のチーズとお菓子の家」(講談社タイガ)

心の深い傷を美味しい食事に変えてくれる不思議な料理人平峰花。その傷を食いつくすことにより癒され再生してゆく人たちを描く連作短編集。

 主人公の宮崎真梨子は夫の転勤に伴い、都会を離れて新しい街で暮らしている。友達もいなくて孤独で寂しい日々を送っている。

 そして、最近は眠るといつも同じ夢を繰り返しみるようになる。

真梨子は小さい家に住んでいる。一人寂しくしていると、家のドアがトントンとたたかれる。のぞき見るとコートや帽子だけで顔が無い男が立っている。繰り返しドアをたたく。恐ろしくて部屋で身を縮めているが、ずっと終わらず続く。恐怖が最高に高まる。そこで目覚めるが、直後にまた眠りにおちると同じ夢をみる。

 そんな夢をみていると、夢の中に平峰花という女性が自分は繕い屋と言って登場する。そして、悪夢の原因は住んでいる家が悪魔となっている、その悪夢から逃れるためには家を食べて消化するしかないという。

 何を言っているのかわからない。家など食べれるわけがない。そんなことを言わずに試しに柱をかじってみたらと言われ食べてみる。すると表面はカリカリ、中身はフワフワ、フィナンシュの高級な味。びっくりする。それで次々食べてみる。

 食器棚はチョコレート、窓ガラスは板状の飴、冷蔵庫はクリームのかかったスポンジケーキ、畳を食べると下からキャラメルノスポンジケーキがでてくる。

 真梨子の夢でみる家はお菓子の家である。夢では、腹いっぱいになることは無い。真梨子は時間をかけて、お菓子の家を食べつくす。

 平峰花は、これで悪夢は消火されましたという。
そこから、真梨は恐怖の夢をみなくなった。

物語には書かれていないが、こんな夢だったらしょっちゅう見ていたいと真梨子は思ったのではと想像してしまった。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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