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矢崎存美    「訪問者ぶたぶた」(光文社文庫)

 大きさはバレーボールのボール程。ぶたのぬいぐるみのぶたぶた君が大活躍する人気シリーズ。

 光之は東京で働いていたが会社をやめ、実家のある田舎町に家族と一緒に引っ越してきた。父親の紹介もあり、町役場で今は働いている。父親は県会議員をしているが、そろそろ引退を考えていた。

 長男の孝を後継者に考えていたが、孝はアメリカに行ってしまう。光之も議員には全くなるつもりは無い。しかし、父親の秘書道橋が光之に議員になることを必死に説得していた。

 町で夏祭りがある。道橋は、光之の名を売るために、図って、光之の家を神様がやってくる家にした。

 神様の家では、食べきれないほどの料理を作って、神棚に供える。神様は家族が寝ている間にやってきて、お供え物を食べて、そのまま裏口からでてゆくということになっている。

 だから、表の窓と裏口の窓を少し開けておく。もちろん神様などくるわけがないので、作った料理は、翌日神社に奉納して、町の人たちに食べてもらう。

 お供えも終わり、窓を少しあけて寝ようとしていたところ、玄関のドアを叩く音がする。ドアを開けると誰もいないと思ったら足元にぶたのぬいぐるみがいて電話を貸してほしいとお願いをしている。仕事が終わったと会社に電話をしようとしたのだが、携帯のバッテリーが切れて電話ができないからという。

 ぬいぐるみがしゃべるので腰を抜かすほど驚く。しかし、ふと浮かぶ。神様がやってきたのだと。それで家にぬいぐるみをあげ、お供えも神棚からさげ、ぶたのぬいぐるみと一緒に、双子の娘たちも入れて、飲めや食えやの大騒ぎとなる。神様がやってきたというので娘たちも大喜びで興奮する。

 裏口からそっと帰るはずなのに、神様は、その晩泊るし、風呂にまで入る。翌朝朝食まで食べて、バスで帰ってゆく。

 そのあと、道橋がやってきて昨夜は神様の送り迎えごくろうさんだったと言う。光之は言う。「神様はちゃんとやってきた。ぶたのぬいぐるみの恰好をしていた。ドンチャン騒ぎをして一晩泊り今朝帰った」と。

 道橋は何を言っているんだと思い肩をがっくり落とし、光之の父親に電話する。
「光之を議員にすることを説得することは諦めた」と。

 ユーモアもあり面白くて楽しい。

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| 古本読書日記 | 06:30 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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