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矢崎存美   「キッチンぶたぶた」(光文社文庫)

 ぬいぐるみの豚である、ぶたぶたさんが、キッチン「山崎」という店をだし、コックとして活躍する連作集。

 雪屋映一は最近食事に匂いが無いことに気付く。どうしてだろうかと考える。

 朝は出ているものを食べる。昼は買ってきたものか外食ですませ、夜は家で用意されているし、会社の人間といっしょだったら連れだって食べる。
 よくよく考えてみれば時間がきたから機械的に食べている状態が続いている。
だから、何を食べたのか記憶が全くない。最近はでてきたものを食べているだけ。

 妻に「まるで餌だな」と思わず言ってしまい、怒られる。

サウナ友達に豚のぬいぐるみであるぶたぶたさんがいる。ぶたぶたさんに食べ物の愚痴を言う。するとぶたぶたさんから自分がやっている食堂にきてみないかと誘われる。そこでガンボスープを飲む。これがおいしい。そして、ぶたぶたさんから、自分で料理を作ってみたらと言われ、簡単そうな味噌汁の作り方を教わる。その作り方は全くシンプル。だけど、おいしい。

 ぶたぶたさんは、味噌汁はオールシーズンタイプといい、いつでも同じ味である。
そんなことを聞きながら味噌汁を飲むと、おもわずいつも飲んでる妻の味噌汁を思い出し、妻の味噌汁もおいしいと思った。

 家に帰って、妻は驚いたが、自ら味噌汁を作る。そこで、いつも機械的に食べている妻の料理もおいしいと感じる。

 そして、自分の人生が幸であることは、この妻と結婚したことだとしみじみ感じる。

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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