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畠中恵    「明治・妖モダン」(朝日文庫)

 物語は明治20年の銀座。江戸時代にはあちらこちらに、妖怪、お化け、河童などの怪異なものが闊歩していた。江戸と明治は地続き。明治はアーク灯などが灯りだし、明るくはなったが、江戸時代にいたものが、明治になったからと無くなることはありえない。

 明治になっても、間違いなく存在していた妖怪が登場する、ファンタジー作品集。

 どれも面白かったが、わかりやすく特に面白かったのは「赤手の拾い子」。

 赤手(名前)は、船着き場で捨てられていた赤子を拾う。それで派出所に連れていこうと後ろを振り返る。すると驚くことに赤子が3歳くらいの子供に変わっている。

 とにかく派出所へと。銀座の派出所へ連れてゆく。
 派出所で、子供が持っている袋からダイヤモンドなど宝石が5個でてくる。これは高価なものなので、派出所に預ける。

 そして、子供を預かってもらおうと行きつけの牛鍋屋百木屋に連れてゆく。そこで、主人の百賢と預かってもらう交渉中に、ダイヤモンドのことを話す。夢中になって話している。気が付くと、子供が瞬間に6歳くらいに成長してしまっている。そして、直後に更に成長して9歳に。

 ダイヤモンドの話、大声で話すので、お客に全部聞こえる。すると突然、私が母親だとか父親だと名乗る人物がたくさん表われる。しかし、全員子供が突然成長することがわからないので、現在の娘の年がわからず、みんな嘘ということで追い返す。

 娘に名前を聞くと苗字はわからないが「おきめ」と言う。

 そんなところに、丸加根と言うおきめの父親だという男が現れる。またダイヤモンド狙いと思ったのだが、丸加根は深川で高利貸をしていて大財産を築いているので、ダイヤモンドはいらないという。おきめは丸加根が父親というのなら、孤独な生活を逃れられるので、丸加根についていきたいと願っている。

 それをだめと引き離そうとする赤手の額が突然割れ、血がほとばしる。その時、最も赤手の近くにいたのがおきめ。
 百木屋に預けて一晩たつと、何とおきめは13歳と女性に成長している。

 その後、丸加根に美人の若い嫁がやってきたとのうわさがでる。何日かの後、ダイヤモンドを持って巡査と赤手が丸加根の家にゆく。

 そこで赤手がおきめにそっと言う。
「何があっても、頭を割ったり、首にかみついたりしてはいけないよ。おきめとは鬼女のことなんだから。」

 おきめの謎の真相を語る部分が、なかなかしゃれている。

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