宮木あや子 「校閲ガール」(角川文庫)
憧れのファッション誌の編集者を夢見て出版社に就職した主人公の河野悦子。名前から連想されたのか、配属先は校閲係。しかも赤字を垂れ流しているお荷物の文芸作品担当。
校閲というのは、文章や原稿の誤り不備な点を調べ、検討、校正、訂正などをすること。
それは、文章の不備、漢字や言葉使いの間違いを訂正するだけではない。
事実確認を調査する。間違っていれば付箋をつける。年号や固有名詞に間違いはないのか。
ライターや編集者の資料は添付されているか。その資料と中身が合致しているか。添付されていない、あるいは資料が不十分の場合は、別途調査をして、わからない時は疑問出しの鉛筆をいれる。書名や公演日時電話番号に間違いは無いか。日付けと曜日はあっているか。数字は見間違いがよくあるので、何回も確認する。
実際は神経を使う大変な仕事だ。
それでいて、著者と直接かかわることができない。関わるのは担当編集者。間違えると責任をかぶせられる、陽の当たらない裏方、辛い仕事だ。
こんな裏方に回されがっくりしたが、持ち前のバイタリティーと歯に衣着せぬストレートな物言いで頑張る主人公の河野悦子。
ここに、作者から原稿を入手すると、全く目を通さず、校閲係の悦子に丸投げする貝塚。
この悦子と貝塚の言い合いが、捧腹絶倒。
最後は、大作家の本郷の妻が書置きを残し失踪。しばらくするとその本郷まで失踪するというミステリー仕立てにもなっていて、読者をひきつけ、ひっぱる。
それにしても宮木さんはすごい。
この作品には、校閲前の色んな文章が登場して、悦子が校閲する場面が多くある。
不備な文章を宮木さん自身が創作しているのである。歴史ものあり、恋愛ものあり。校閲前の文章を造ってしまうとは、一般の想像を突き抜けて圧倒的に独創的である。
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校閲というのは、文章や原稿の誤り不備な点を調べ、検討、校正、訂正などをすること。
それは、文章の不備、漢字や言葉使いの間違いを訂正するだけではない。
事実確認を調査する。間違っていれば付箋をつける。年号や固有名詞に間違いはないのか。
ライターや編集者の資料は添付されているか。その資料と中身が合致しているか。添付されていない、あるいは資料が不十分の場合は、別途調査をして、わからない時は疑問出しの鉛筆をいれる。書名や公演日時電話番号に間違いは無いか。日付けと曜日はあっているか。数字は見間違いがよくあるので、何回も確認する。
実際は神経を使う大変な仕事だ。
それでいて、著者と直接かかわることができない。関わるのは担当編集者。間違えると責任をかぶせられる、陽の当たらない裏方、辛い仕事だ。
こんな裏方に回されがっくりしたが、持ち前のバイタリティーと歯に衣着せぬストレートな物言いで頑張る主人公の河野悦子。
ここに、作者から原稿を入手すると、全く目を通さず、校閲係の悦子に丸投げする貝塚。
この悦子と貝塚の言い合いが、捧腹絶倒。
最後は、大作家の本郷の妻が書置きを残し失踪。しばらくするとその本郷まで失踪するというミステリー仕立てにもなっていて、読者をひきつけ、ひっぱる。
それにしても宮木さんはすごい。
この作品には、校閲前の色んな文章が登場して、悦子が校閲する場面が多くある。
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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑