FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

小杉健司   「検事・沢木正夫 自首」(双葉文庫)

 18年前、女子大生だった岡林さやかがアパートの部屋で殺害される。懸命の捜査でも犯人はみつからず、ほぼ迷宮入りの状態になっていた。

 ところが、驚くことに突然梶川という男が自分が殺害者だと警察に自首してくる。さやかの両親が、警察の捜査が終わりこのままでは犯人はでてこないとチラシを街頭で配布する姿をみて、懺悔の気持ちが強くなり自首したのだと梶川は言う。

 なぜ今頃になって自首する?5年前にたったひとりの家族だった母親が認知症になりその介護をしていたが、その母親が亡くなり自首に足かせとなるものが無くなったからだと言う。

何となく変だと検事の沢木は思う。母親が認知症になったのは5年前。それ以前だったらいつでも自首できた。事件直後に自首していたら、死刑はなく、10年の刑が妥当となり、母親が認知症にかかったころには出所していることになる。

警察は、被害者の部屋にあった両親の写真たての指紋と梶川の指紋が一致したため、犯人は梶川であると断定して、梶川を検察に送致しようとするが、沢木はそれを止めようとする。

そのうちに不思議なことだが、学生時代さやかの親友で、今は老舗レストランの社長夫人になっている南亜矢が、梶川は全く要求しないのに私選弁護人として徳大寺逸郎を任命する。

梶川の18年後の自首。南亜矢の弁護人の任命。残された指紋が梶川と一致。この難問が沢木によりどう解明されてゆくか。

謎解きだけでなく、それぞれの人物の背景もいつものようにみっちり描かれ、読み応えのある小説に仕上がっている。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT